ママ友いじめの意外な理由が自己肯定感を上げる邪魔をしていたケース
こわいママ友にいじめられている自分が実は必要な存在だった?おそらく自分では誰も気が付かない、意外な理由です。いじめを受ける潜在意識が頑固に自己肯定感の邪魔していたことに気づいた穂乃花さん(仮名)のケース。相談が進むにつれ、過去の経験が今の自分の考え方や行動に影響していることに気が付く人はとても多いです。
ママ友と上手くいかないと悩んでいた 穂乃花(仮名)さん30代
現在は結婚前の仕事の経験を活かして独立して収入を得て、ご主人と小学生のお子さんがいます。何ら不自由のない暮らしをされているように見られますが、ママ友がいない、ママ友ができない、ママ友ができても裏切られ、学校の役員活動でいじめのような対応を受けました。
そのことがあってからいじめの対象にならないように、リーダー格のこわいママ友にはご機嫌伺いをしながら、それ以外の人にも嫌われないように話を合わせるのに疲れてしまった様子。それだけ頑張っても心から信用できる友達ができません。そればかりか、どこかで子供の同級生のお母さんとすれ違って世間話をするときにも、冷や汗がでたり、どもってアタフタしてしまうようになりました。
カウンセリングで記憶のふたを開ける
最初は学生時代にいじめられた経験が尾を引いていることに本人は気がついてはいませんでした。
忘れていた記憶のふたが開くと、現在とまったく同じ言葉や行動で過去もいじめられていたのです。いじめられていたことに関しては、完全に忘れていたわけではなかったものの、今の自分とは切り離されていると思っていたので思い出すこともなかったと言います。
ヒーリングや心理療法を受けてみたものの
ご本人もカウンセリングを申し込む前に、占いやスピリチュアル系のいくつものヒーリングを受けたとおっしゃっていました。気分は良くなるものの、根本が変わることはなかったとのこと。原因を深く探る前のヒーリングは見当違いの場所に高い生薬を塗るようなこともあります。
カウンセリングでもそういう過去のトラウマを癒す手法や心理療法はいくつもあるので、代表的なものを試しましたが、どうもすっきりしません。
そしてまた薄皮をはがすようにカウンセリングをしていくと、やっと原石にたどり着きました。
過去のいじめの発端
過去のいじめられた時の発端は、女子高に通っていた穂乃花さんに、ボーイフレンドができたことでした。いじめ側の女子生徒は親友とも呼べるくらいの友達だったそうです。今振り返れば、彼氏ができた穂乃花さんに嫉妬や寂しさを感じていたと容易に想像がつきます。
そして親友はリーダーシップを発揮して、当時穂乃花さんが発言するすべてのことは、クラスメート全員に反対され、嫌な仕事を押し付けられ、学校内では誰も穂乃花さんと話をしてくれる人がいなくなってしまいました。
両親は離婚延期、彼氏は優しい
ちょうどそのころ彼女の両親は離婚をするかしないかという険悪な時でもありました。でも彼女が学校でいじめられていることを知った両親は、離婚を延期して学校に掛け合ったり、カウンセラーのアポイントメントをとったり、一見一致団結して仲良くやってる様子でした。
そして、ボーイフレンドはいじめられている穂乃花さんをかばうように優しく話を聞いてくれました。穂乃花さんには彼しか友達はいない状態でしたから、学校が終われば眠るまで彼と一緒に過ごすか、電話で長話しをする日々。彼は穂乃花さんが自分だけのものになって嬉しいとさえ言ってくれたそうです。
いじめられている効用
ここで勘の良い方は気が付きましたよね?
穂乃花さんがいじめられていることで、両親は仲良くなり(一見)、彼氏はより一層優しくなっているのです。
穂乃花さんの潜在意識は、いじめが解消したらどうなると思うでしょうか? きっと両親は離婚の手続きを進め、彼氏は離れていってしまう・・・。
穂乃花さんがいじめを我慢さえすれば・・・。いえ、いじめ続けられていれば・・・?
その後卒業までいじめは続いたそうですが、卒業と共に両親は離婚し穂乃花さんはお母さんの実家のあるところへ引っ越しました。しばらく付き合った彼とも遠距離で別れ、そのころは穂乃花さんは自分のやりたいことが決まってスキルを身につけるのに一生懸命になり、そこそこ順調に今に至っています。
今なぜ 過去と同じ問題がぶり返してきたのか?
そこで今現在に話を戻します。
学生時代のいじめが潜在的に自分に必要であったことを振り返り、今に当てはめてみるとそれは割とあっさりでてきました。
穂乃花さんは旦那さんとの関係が冷えてきているのを感じていた
潜在意識はいじめられて悩んでいる自分がいることで、夫が自分を憐れんでくれ愛情を取り戻せると思った
夫が冷たい理由は自分の収入の方が上回ってきたからである
いじめで悩むことにより弱い立場にいることで、たとえ自分の方が収入が増えても、夫のプライドを傷つけない、愛情を取り戻せると潜在意識は思った。
穂乃花さんはもともと親の負担が多いこの学校に子供を行かせたくなかった。
夫とは入学を決めるときに議論があったが結局穂乃花さんが折れた。このことで夫が自分が悪かったと思ってくれたら・・・。子供も特に学校が楽しそうではないので、あわよくば転校の可能性があれば嬉しい、とも潜在意識は思った。
学校のママ友は専業主婦が多く特に友達になりたいとは思っていない。
ビジネス繋がりの友達のほうが、刺激があって出かけても楽しいし、付き合いたいひとたちであるが、良い母親であるために、子供のためにも無理にでもお母さんたちと仲良くし、友達にならないといけないと思っている。
自分は仕事の成功に専念したいので本当は学校のことなどは関わりたくない。
日常の保護者代表は母親。先生の自分の子供への心証をよくするためにも役員は積極的に引き受けなければいけない。他のお母さんとの協調や関係を良好に保つべきだ。そういう思い込みがある。
願望実現のためにいじめられることが必要だった?
結局は穂乃花さんの潜在意識では、この最後の自分の望み「自分は仕事の成功に専念したいので本当は学校のことなどは関わりたくない」を実現するためにいじめられることが必要だったのです。潜在意識のいじめ依存とも言えます。
だからこの思いがある限り、ヒーリングをしようが、心理療法をしようが、穂乃花さんがママ友を作ってよい関係になることはあり得ないのです。だって心の奥底ではそれを望んではいないのですから。
望まないことは手放す
そこで穂乃花さんは「ママ友が欲しい」「ママ友として上手くやっていこう」という気持ちを手放しました。
実は上記のほか、「自分がいじめられていると子供もいじめられる(多少その傾向あり)」という思いから、「自分はなんとか好かれないといけない」という思いも手放しました。
お母さんや先生に好かれるために無理をして引き受けた役員や係も仕事を理由に辞退し、儀礼的に誘われて、儀礼的に出ていたお茶やランチも断ることに罪の意識は感じなくなり、無駄な時間を割かずに仕事に専心できることで自己肯定感がぐんと上がりました。
憶測ではなく話し合う
旦那さんとは収入の件を話し合った結果、収入が増えるのは一向にかまわないし素晴らしいことで、自分に万が一のことがあったときの心配も少ないし、穂乃花さんがそれを鼻にかけて見下すような態度をしないでくれさえすればかまわない、自分は応援している、という気持ちを話してくれたそうです。
子供も他のお母さんの前で穂乃花さんがあたふたする様子が気になっていたらしく、それを見なくて済むようになって嬉しいようです、とのことでした。
まとめ
今、あなたの心を占めている悩みの原因はもっと別のところにあるかもしれないという例でした。表面的な悩みの内容に囚われてしまうと、深い部分にある原因やトラウマのきっかけがつかめないまま、ただ「話ができてすっきりした」で終わってしまうかもしれません。
自己肯定感が得られないことで悩んでいるひとは、過去のいじめが原因の人が多くいます。いじめの原因の原因は様々です。今回のケースのようにいじめを受けることでメリットがある・・・深い部分で自分では認めたくないのでなかなか浮上しない頑固な悩みの原石です。
~~占いでも良いけれど、もっと深く心の原点から悩みを解放しませんか?~~
あ、わたしは占いも大好きですけれどね。何か違う答えが欲しいと思ったらカウンセリングにどうぞ。
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あとがき
国際結婚夫婦円満カウンセラーと名のるずっと前に書いたものです。
本人に承諾を受けていますが、最近も少しだけ近いケースがあったので、下書きから引っ張り出してきました。
下書きやタイトルだけが溜まっていくこの状況を何とかしたいです・・・。