義理家族と「わかり合おうとしない」—それでも関係を壊さない第三の選択肢

国際恋婚円満福ぶろぐ

わかり合うのは諦めた

国際結婚をしている方から、こういう言葉をよく聞きます。


「義理家族とは、もうわかり合おうとするのをやめました」

その言葉に、責める気持ちは全くありません。どれだけ努力しても届かなかった経験が積み重なって、そこに辿り着いた——その重さは、話を聞いていると伝わってきます。

ただ、カウンセリングの場で感じることがあります。
「わかり合おうとするか、もう諦めるか」——その二択の間に、もうすこし心地よい空間があるのではないか、ということです

「諦め」の先に待っているもの

義理家族との関係を手放したとき、最初は少し楽になりますよね。期待しなければ、傷つかない。でも時間が経つと、別の重さが出てきます。

パートナーとの間に微妙な距離が生まれる。家族の集まりが苦痛になる。義理家族の話題が出るだけで体が緊張する。自分でも気づかないうちに、エネルギーを消耗し続けている。

「関わらない」という選択は、問題を解決するのではなく、苦痛を先送りにしているだけのことが多いからです。

「期待しない」は、諦めとは違う

わかり合えなくていい。でも、遮断もしない。

これは矛盾しているように聞こえるかもしれません。でも実際には、この「つかず離れず」の距離感が、義理家族との関係を長く保つ上で、もっとも現実的な選択肢であることが多いのです。

「期待しない」というのは、相手を見捨てることではありません。「この人はこういう人だ」という現実をそのまま受け取って、そこに過剰な解釈や感情を乗せるのをやめること。それだけで、関わりの質はずいぶん変わります。

義理家族関係が特別に難しい理由

パートナーとのすれ違いとは、また質が違います。

パートナーとは、時間をかけて「この人との関わり方」を少しずつ学んでいけますし、縁あって多少でも長所を認め合って一緒になったのでしょうから。でも義理家族との関係は、最初から前提が積み重なっています。

文化的な価値観の違いだけではありません。そもそも、こちらが選んだ人たちではないうえに、「息子・娘の配偶者」という役割への期待、家族内のパワーダイナミクス、言語のハンデ——これらが重なる中で、「伝えているのに伝わらない」という経験が繰り返されます。

そしてもうひとつ。義理家族との会話では、「自分がどう見られる(ジャッジされる)か」という意識が強く働きます。その緊張が、かえってコミュニケーションを固くなり、防御と誤解になることが多々あります。

「解決しようとしない聴き方」は、義理家族にも使えるか?

前回の記事で、「解決しようとしない傾聴」について書きました。

これは、パートナーとの会話だけでなく、義理家族との関わりにも応用できます。ただし、少し違う形です。

義理家族との場面では、「聴く」ことよりも先に、 自分をちゃんともつこと、勝ち負けだと思わないこと、が必要です。

相手の言葉に反応する前に、一拍置く。
「これは攻撃なのか、それとも文化的または性格的な表現なのか」と、少し距離を置いて見る。
聞き流すのか?どこまでが伝えるべき最低限の事実なのか。
全部を理解しようとしない。でも、全部を遮断もしない。

これは諦めではありません。 必要な関わりは続けながら、消耗しないでるための調整です。

「伝わらない」を前提にした関わり方

完全にわかり合うことをゴールにしない——これは、諦めとは違います。

わかり合えなくても壊れない関係はあります。完全には理解し合えなくても、一緒にいることができる関係、思い出しても不快にならない関係、会わなくても壊れない関係はあります。

そして、「自分が正しい」ことを証明しなくてもいい場面があります。言いたいことを全部言わなくてもいい場面があります。「正しさ」よりも「安全さ」を優先する場面があります。

特に義理家族との関係では、「今はここまでが安全」という境界線を持つことが、長く関わり続けるための知恵でもあります。

カウンセリングの場でよく聞くこと

「義理家族のこと(不満)をパートナーに話すと、板挟みにさせてしまう気がして言えない」

この言葉は、比較的婚姻年数が浅いクライアントから本当によく聞きます。それも思いやりですよね。

義理家族との関係の難しさは、パートナーとの関係にも影響します。「言えない」が積み重なると、それ自体が距離と無言の圧力になっていきます。

ひとりで抱えていることを、一度言葉にしてみる場所がもてると少し違ってきますから、「愚痴」というより「事実の羅列」を意識して信頼できるだれかに話してみてください。。

次回予告:子どもと「傾聴」

シリーズ次回は、思春期以降含めた子どもとの関わりに焦点を当てます。

「親なのに、何も話してくれない」——その背景に何があるのか。解決しようとする親の関わりが、子どもをどう動かすのか。教育方針が違う国際結婚家庭ならではの複雑さも含めて考えます。

パートナーや義理家族との関係について、ひとりで考えるには複雑で個別に整理したいことがあれば、カウンセリングセッションでご一緒にやっていきましょう。

オンライン無料相談は、お気軽にこちらからご予約ください。

Yumi Barker 
国際結婚・異文化カップル専門カウンセラー 
Online / Perth, Western Australia

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