アートセラピーって何するの? 1
来週のリトリート開催に当たりメニューのアートセラピーセッションについて、あまり書いていなかったの気が付きました。
なので、少しづつ書いていこうと思います。
アートセラピー(Art Therapy) とは
硬い言葉で言えば元々は芸術療法と言う心理療法の一種です。絵画や造形などのアートによる表現を通して、自分の感情や感性、無意識に触れ、理解しケアすることです。
日本のアートセラピーと海外のアートセラピーの違い
わたしは日本と海外両方でアートセラピーを学ぶ機会に恵まれました。
海外で学んだアートセラピー
海外ではアートセラピーと言えば、絵画や造形だけでなく、芸術全般なので、音楽演奏や歌を歌う、ダンスも含まれます。

海外では上記の「自分の感情や感性、無意識を開放する」ことに重点が置かれ発達した感じです。
わたしが海外(主にイギリス)で学んだアートセラピーはどちらかと言うと感情の解放をメインにしていました。潜在意識を知るとか、感情を読み取るとか、自分の本当の望みを知るヒントとして使う、書き換えることはほとんどありませんでした。
自己表現、言い表せない気持ちの表現、表現することや、好きなように思いっきり好きな絵を描いたり、粘土をこねたり、5感に訴えるような感情表現でストレス解消をする二つが海外のアートセラピーの主な目的だと思っています。
日本で学んだアートセラピー
日本で発達したアートセラピーは海外のとは少し趣が異なります。
日本でアートセラピーと言うと義務教育時代の図工や美術でやる主に絵を描く、たまに粘土や紙で造形するのがメインです。

アートセラピーは単なる心理テストとは違うはずなのですが、日本では「絵を描くという表現を通して自分の感情や感性、無意識に触れ理解する」と言う「理解」ところに重点が置かれたまま発展してしまったようです。なので、絵で表す心理テストをアートセラピーと勘違いしている人もいます。
まあ、描画セラピーは箱庭療法が原点ですから心理テストの要素はたっぷり入っているのですけれど。
私が思うに、日本人は周りに合わせて生きていくことに慣れきっているので、普段は本当の自分を意識せずに周りに合わせて社会生活を送ります。そこで人間関係の歪みに苦しんだり、自分の価値観が社会の価値観に奪われいるのに気が付かず、自己肯定感を失ったりします。これが本当に自分の意見なのか?本当に自分の望みなのか?疑問も持たずに○○するべきという社会的概念で縛られて自分を見失っている人が多いのです。
そこで日本で発達したアートセラピーは主に今の自分、自分の現在の立ち位置を知り、本当の思いを知ること、で問題の解決案や進むべき道などを模索する際の街灯のような役目が中心になっているのだと思います。
Zen禅アートセラピー
わたしは昔から心理や哲学に興味があり、曼陀羅アートに行きつく前も般若心経や禅の心理(学校もそっち系でしたし笑)趣味のように読み漁ったり学んでいました。
日本の描画アートセラピーとも海外の表現アートセラピーとも違い、心を整えるアートセラピーと言えます。とても哲学的で、毎回学びや気づきがあり、自己成長感が半端ない。
アートセラピーは出来上がりの芸術性や美しさを求めるものでは一切ないにもかかわらず、上記の二つとは比べ物にならないくらい、素人でもここまで!と本人が驚くような完成品が出来上がるのがこの禅アートセラピーです。
禅アートセラピーは英語ではマインドフルネスと言われる瞑想やヨガでも重要視される呼吸法、禅の境地でもある雑多な日常から離れているにもかかわらず今ここに在るという在り方を体感できる、尊いアートセラピーだと思います。
個人的に点描が見るのも描くのも好きなのでこだわっています。
この3つは私のアートセラピーセッションの3本柱のようなもので、カウンセリングには躊躇する人もアートセラピーから入って心が解放され、悩みを打ち明ける気になる方もいますし、カウンセリングに来てから心のケアの大切さを知ってアートセラピーを受ける方も、ホリデー中のアクティビティに親子アートセラピーに来てくださる方もいます。
もちろんアートセラピーをピアノの調律のようなものとして、自分調律にして「あー、なんかすっきり楽しかった~」と言って帰っていただけるのも、セラピストとしては嬉しい限りです。
そしてコラボもしやすいのも嬉しい ⇒ 点描アート&サウンドセラピーリトリート
言語ではなく想いを伝える
特に感情表現のために絵を描くアートセラピーは無意識の自分が無理なく表現できるので、言葉でうまく気持ちを伝えられない子供の心理を読み取る試みにも使われます。
私はどちらかと言うと子供の心理を探るよりも親の心理が子供にどの程度影響しているかを知るほうが、まだ自我が発達しきれていない子供の心理を知るより、関係性や何かの改善においては有効だと思っています。その話はまた今度。
悩みを打ち明けなくても大丈夫
通常のカウンセリングは会話で自分を表現し、感情を開放し、前に進んでいくものですが、言葉として表現しにくい思いや、自分では気付いていない潜在意識の思いもアートセラピーでは自然に表現し理解することができるので、教育や自己啓発にも効果的です。
どの描画セッションも具体的に対面している悩みを打ち明けなくても進めることができるので、カウンセリングで悩みを打ち明けるのに抵抗がある人にも受けいれやすいと思います。
どうぞ気軽にお問い合わせください。
匿名メール&顔無しZoomカウンセリングもできます。(匿名フリーメールか匿名ZoomアカウントとニックネームだけでOK)
(あとがき)
子ど向け描画セラピーはチャイルドカウンセラーでも受けられますが、最近はネットで出回っているのをマネして心理テストみたいに親が子供に描かせて、わかった風に勝手に解釈することもバンバンあるようです。子供にとってはいい迷惑かもしれないですね。「うちの子はバイキンマンを半殺しにするアンパンマンをよく書くから、悪を許さない正義感のある性格の丸いおおらかな子供だわ~」なんて? それ、バイキンマン=パパ、アンパンマン=最近太り始めたママ だったりしてね(笑)
一般論(既定の型)に押し込めるのではなく、その人(子供)にとってその色や形が何を表しているのかを深く掘り下げていかなければ意味がないんです。
親子アートセラピーはスクールホリデー中のみ受付中。