批判から始まる会話が、すれ違いを深めてしまう理由 〜国際結婚の現場から〜
夫婦喧嘩の背景にある「会話の始まり方」
国際結婚において、文化の違いによる価値観のズレは避けられないものですが、夫婦間のトラブルが深刻になる背景には「会話の始まり方」が大きく関わっていることが多いと感じます。
たとえば、最近増えてきた日本在住の国際結婚カップルの例。
実は生活費でギリギリの現状で、夫が祖国から来た友人が来るたびにすべて自分持ちで精いっぱい以上にもてなそうとすることに不満がある妻。
その不満は充分に共感できますよね。
ただそこで、「家族と友人どちらが大事なの!」と詰めよれば喧嘩にもなるでしょう。
「友人をもてなしたい」という相手に対しての返事の最初に「ありえない」「やめて」「何考えているの」と否定から入ると、相手は必ず反発します。なぜなら、本人(の文化)にとってはもしかしたら「(家族より、または家族並みに)友情を大切にすること」が当然であり、誇りでもあるからです。
もちろん、生活費ギリギリで余裕のない暮らしをしているということを友人に知られたくないプライドもあるかもしれません。
程度の差はあれ、逆の状況を考えてみて少し相手の気持ちが理解できるあなたならきっと大丈夫。
摩擦の根底
実は、こうした摩擦の根底には、
「自分は正しい。相手がおかしい(に決まっている)」という無意識のロジックが潜んでいることがあります。
そしてそれは、たいていお互いにあります。
さらに「私はこうしたい」「私にはこれが正しい」という主張が前面に出すぎると、相手もそれを自分への批判と感じ、身構えてしまいます。
建設的な対話のために:理解と冷静なアプローチ
本来必要なのは、相手の背景や価値観、立場を「理解しようとする姿勢」です。
ブログで何度も書いていますが、「理解」は「賛同」や「無理やり受け入れること」ではありません。
その上で、たとえばこの場合なら
・感情をぶつけず、事実ベースで家計の現状を共有する
・観光や接待にかかる費用が生活費から出ることを、冷静に整理して話す
・夫の「もてなしたい気持ち」には共感を示したうえで、「私たちの生活を守る」という視点も伝える
+@ 相手の性格や文化価値観に合わせた譲れるラインの提案方法
こういったアプローチが必要になります。
もちろん、相手の言動にどうしても納得がいかないこともありますし、「それは以前試した。でも効果がなかった」と感じている方もいるでしょう。
そうしたときこそ、夫婦それぞれの思いを、第三者の前で冷静に整理していく「カップルカウンセリング」が有効です。

経験と専門性に基づいたサポート
私は、国際結婚を経験し、当事者としても多くの苦悩を乗り越えてきた一人でもあります。
その経験と離婚大国の欧米で学んだ専門家としての知識、8か国在住経験から異文化の夫や妻を持つクライアントさんの経験からの学びを蓄積した状況や環境別視点から、感情と事実を丁寧に分けながら、深い部分にある本音を引き出すサポートを行っています。
感情をぶつけ合うのではなく、思いを聴き合う関係を築いていくために、まずは話してみませんか。