国際結婚カップルに必要な「聴く力」とは?— 発達特性と男性メンタルヘルスから学ぶ夫婦関係
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先週、個人的なCPD(Continuing Professional Development/継続的専門能力開発)のために、二つのオンラインセミナーに参加しました。
一つは「発達特性の実行機能(Executive Functioning)」、もう一つは「男性のメンタルヘルス」。
まったく異なるテーマですが、私はボランティア活動でキッズ&ユース支援に関わり、発達特性のある子供の親のピアサポートグループのオブザーバーもしています。
また、発達特性(発達障害と言われているもの)は自分の家族にも関係しており、夫婦関係にも子どもの発達特性は多少影響するため、深めたいと思っている分野です。
男性のメンタルヘルスの方は、オーストラリアのメンタルヘルス救急士(Mental Health First Aider)の資格を持つ私のCPDとして受講しました。
もちろん、夫婦問題を扱う上で男女のメンタルの違いを知ることはとても重要です。
さて、どちらにも共通していたのは——
「言葉にならない苦しみ」と「それを受け止める側の聴く力」の大切さ。
発達特性のある人も、男性も、自分の状態を“うまく言語化できない(理由は違うけれど)時間”を生きているのです。
それは決して弱さではなく、脳の機能であったり、人間の自然な防衛本能や静かな個性の一つだったりします。
そしてこれは、言葉や文化の違いが重なることで気持ちを伝えるのが難しくなる国際結婚や異文化カップルを理解する上でも、とても重要な視点だと感じます。
カウンセラーにとっては基本中の基本ですが、相手のペースで“聴く”こと、そして“聞いてくれる人の存在”の深い意義を改めて認識しました。
最終的には、これこそが夫婦や家族の円満の基礎なのだと思います。
発達特性からの学び:実行機能(Executive Function)と夫婦のすれ違い
今回のセミナーでは、「発達特性を持つ人の実行機能(Executive Function)」に焦点が当てられていました。
実行機能とは、計画を立てる・優先順位をつける・気持ちを切り替える・行動をコントロールするなど、日常生活をスムーズに進めるための“脳の指揮者”のような働きです。
発達特性のある人にとって、この「指揮者」はときに混乱しやすく、やるべきことがわかっていても動けなかったり、感情の波に飲まれてしまったりすることがあります。
それは「怠けている」「無関心」ということではなく、脳の情報整理のプロセスが違うだけ。
支える側にできることは、「なぜできないの?」ではなく、「どんな工夫をしたら動きやすくなる?」と考えること。
声を荒げて急かすよりも、一緒に優先順位を整理し、小さな達成感を積み重ねるサポートが安心につながります。
これは夫婦関係にも深く通じる話です。
国際結婚や多文化の中では、言葉だけでなく「物事の進め方」や「時間感覚」にも違いがあり、そのズレがストレスになることもあります。
けれど、相手の“実行機能のリズム”を理解し、歩調を合わせることで、二人の関係も穏やかに変わっていけると信じています。
男性のメンタルヘルスからの学び:沈黙の奥にある“プライドと恐れ”
男性が「話さない」「助けを求めない」背景には、単なる無関心ではなく、プライドと拒絶への恐れが隠れています。
日本ほどではなくても、多くの男性は小さい頃から「男は強くあるべき」「感情を見せるな」と刷り込まれ、社会的にも“沈黙は美徳(金)”とされてきました。
自分の弱さを言葉にすること自体が、男性には相当勇気のいることなのです。
特に日本や中東系の文化ではその傾向が顕著で、家庭環境や性格にも大きく影響します。
けれど、沈黙は必ずしも「何も問題ない」「安心している」サインとは限りません。
ときにそれは、「どう言葉にしていいかわからない苦しみ」や「助けを求めたいけれど怖い」という、隠れたSOSであることもあります。
支える側にできるのは、無理に沈黙を破らせることではなく、「話しても大丈夫だと感じられる“場の空気”をつくること」。
静けさを守りながらも、相手の小さな変化を「何か違う」「大丈夫かな?」と気づける感受性や観察力を持ち、さりげなく確認したり、話してもらえる雰囲気やきっかけをつくることが大切です。
……とはいえ、「言うは易し」でもありますね。
沈黙を無視しないこと
夫の本音
冗談半分か本音か、多くの夫はこう感じているようです。
「妻が機関銃のように話すから、自分の話すタイミングがない」
「話しても興味を持たれず、途中で話題を変えられてしまう」
もちろんこれは夫だけの問題ではありません。
妻もまた、「私の話を聞いてくれない」「話してもつまらなそうな顔をされる」と感じています。
つまり、お互いに“ちゃんと聴いてもらえない寂しさ”を抱えているのです。
沈黙を無視して一方的に話し続けることも、沈黙や変化を放置することも、
どちらも関係を遠ざけるだけでなく、メンタルヘルスに陰りをもたらす可能性があります。
「沈黙の奥に、まだ言葉になっていない想いがある」と信じて、そっと寄り添い合えたら——なんてすばらしいことでしょう。
共通する夫婦円満のコツ:「聴く・待つ・評価しない」
どちらのテーマにも共通していたのは、「相手を変えようとしない姿勢」です。
その人が”否定されていない”と感じられる空間をつくること。
聴くことは技術であり、同時に「あなたを受け入れています」という態度でもあります。
最後に:支え合える関係に「整える」大切さ
支え合う関係とは、お互いを変えようとすることではなく、二人のあいだに流れる“リズム”や“呼吸”を整えていくこと。
発達特性のある人だけでなく、誰にとっても「自分のペースを尊重されること」は安心の鍵になります。
そして特に男性にとっては、「自分の言葉が拒絶されない雰囲気」が、自然に話せるための第一歩になります。*(何でもYesでいいわけない!)と誤解する人もいると思うので、この辺はまた詳しく書きたいと思います。
けれど、喧嘩が続いているときや気持ちがすれ違っているときに、お互いがその雰囲気を自分たちだけでつくるのは難しいものです。
もし今、
・夫の沈黙や変化に気づきながらも、どう声をかけていいか分からない
・話しかけても返ってこない沈黙に、心が遠ざかってしまう
そんな状況にいるなら、どうか一人で抱え込まないでください。
まずは、私がお二人それぞれのお話を、安心できるペースで別々にお聞きします。
そのうえで、夫婦カウンセリングでお二人にとって“話しやすい雰囲気”を一緒につくるお手伝いができます。
沈黙に安心したり、責めたりするのではなく、
その奥にある気持ちを見つけ、支え合える関係を整えていく。
それが、これからの夫婦のやさしい歩み方だと思います。
国際結婚や多文化のパートナーシップの中で、
「どう支えたら良いかわからない」「話しても通じない」と感じることはありませんか?
そんなときは、一人で抱えず、安心して話せる時間を持ってみませんか。
無料体験カウンセリング(日本語/英語)はこちらからご予約いただけます。
あなたの言葉にならない想いを、一緒に整えていく時間をお届けします。






















